文武両道 臥薪嘗胆

日々の修業や生活の中で考えたことや思ったことを綴っていきます

柔道世界選手権2019 1日目〜4日目

随分更新が空いてしまっていて、今回の世界柔道のことも特に書く気は無かった。

しかし、やはり毎日観ていて色々思う事、感じる事があるので吐き出したいし、どうせアウトプットするならブログに書こうと思いました。

1日目

男子60kg級の二人、高藤選手と永山選手の二人とも負けるとは意外な結果。
3位決定戦で二人の直接対決、今回は永山選手の勝利で終わった。

終了後に永山選手の腕を掴んで掲げて去ったのは高藤さんの清々しいキャラが出てていいのだが、世代交代感が演出されてしまってて今後も五輪代表争いするんじゃないの?いいの?って感じがした。

2日目

女子52kg級は阿部詩選手が下馬評通りの圧倒的優勝。
この子はプレッシャーとかに押し潰されにくそうなタイプですよね。
いささか強引な柔道してるのがどうかと思うが、立ち技寝技共にきっちりやる辺りは素晴らしいと思う。

個人的に柔道スタイルもビジュアルも好みな角田夏実さんはこれでますます五輪厳しそうなのが残念ではあるが・・・

そして男子66kg級。
僕も含め、みんながしたり顔で論評しているが、メジャー競技である柔道で、世界最高の舞台に立っている人たちのことを一般人がどうのこうの言うのがそもそもおかしい。
今回の阿部選手vs丸山選手の戦いを見て、本当に

「これは俺がどうこう言っていいようなもんじゃねぇ・・・」
と思いました。

僕に言えることは一つ。
敗者にインタビューして傷エグるのはヤメてあげて!

松山三四六さんのインタビューは選手を気遣っている感じがとてもありますけど、それでも阿部選手のインタビューは痛ましかったよ・・・
他のしょーもないレポーターだったらどんな惨事だったか・・・

公人とは言わなくてもテレビ露出もそれなりにある有名アスリートだし、そりゃ受け応えする義理はある程度あるだろうけど、あの状況で何も言えるわけねえだろ!

3日目

男子73kg級。
大野将平選手の決勝の相手、試合待ちのあいだ、腕組みして睨み続けていると言う極めて無礼な態度でしたが、大野選手の眼中にねーよ的な佇まいとその通りの決勝戦の内容が素晴らしかったです。

決め技の内股は、あんなに胸が離れてるのになんで投げれるのか意味がわかりません。
普通はあれじゃかからなくて「離れてるから効かんねや!もっと引きつけろ!」って怒られるやつです・・・
軸足が瞬獄殺みたいにスーっと寄ってるのが秘訣でしょうね。怖すぎです。

女子57kg級は一瞬の隙を突いた出口選手の素晴らしい勝利。
ワンミスが命取りのすげぇレベルなんだなぁと思わせる決勝で見応えがありました。

4日目

女子63kg級決勝戦は壮絶でしたね。
喧嘩好きだとか勝ったら踊るなどと言ってたアグベニュー選手が、勝った瞬間に助かった安堵?地獄から生還した喜び?で、泣いて田代選手と抱き合っていたのが印象的だった。
凄まじい激闘だったのは見ていてわかるが、究極の緊張状態だったんでしょうね。

荒っぽい性格とか、勝ってダンス踊るとか、武道精神に反してるのは間違いない。
それを口頭注意するのは簡単だけれども、それで人は変わるだろうか?多分変わらない。
けれどもこういう死闘の果てに、何かを感じたならば、間違いなく変わるんだと思う。

口先だけで「相手を尊重しよう、気遣おう、感謝しよう」というのとは全く違うものを体得したシーンだったと思う。

それこそが、武道の価値なのではないでしょうか。

武道というものの価値、真髄の一部を、今日の試合で見たと思う。

そしてそこまで追い詰めた田代選手、本当にすごかった。

 

今年の世界柔道は歴史に残る名勝負が多すぎです!