文武両道 臥薪嘗胆

日々の修業や生活の中で考えたことや思ったことを綴っていきます

「あなたの番です」最終回を見て

毎回衝撃的なラストシーンで楽しませてもらってました。
期待値が上がりすぎてる感はあったので、まぁ想定内レベルのガッカリ感はありましたが、死んだ神谷刑事に遺書(?)ですら「人はいいけど能力は・・・」って言われてた水城刑事が最後におばあちゃん追い詰めたとこは、おぉ!っと思いました。
いや、神谷刑事死んでからずっとカッコよかったよ水城刑事!

最終回のイマイチ感の原因

一部には黒幕の黒島役の西野七瀬さんの演技がイマイチだったから良くなかった、みたいな感想があるようだけど、僕はなーちゃん大好きなのでひいき目が入ってて、ああいうなーちゃん見れたのもよかったなーくらいにしか思ってません。

僕的には、せっかく複雑な人間模様を2クールかけて描いてきたのに、犯人の動機が生来の猟奇的性格だったから、ていうのがしっくり来ない理由な気がします。
と言うか、社長さんが最初のドミノを倒してしまった云々、が一番の真相だと思うので、そこメインで組み立てられてたらもっと良かったんじゃないですかね。

もし猟奇的なものを描くなら、圧倒的に「闇の深さが物足りない」です。
地上波ゴールデンタイムで描けるレベルのサイコパスは、やっぱショボすぎるんですよね。
ここはひとつ、最終回の脚本だけ虚淵玄に書き直してもらうと、うまい酒を飲んで愉悦を味わえそうです・・・

いやウソ胸糞悪いラストになりそうだしやっぱヤメて!

あの人に書かせたら、翔太くんと菜奈ちゃんの愛すらすれ違いの勘違いの偽りにされてしまいそうです。
ヌルいオチだったことでどれだけ救われてるか(笑)

愛について

エンタメ作品だと思うし、何か伝えたい高尚なテーマがあったとは思わないけれど、翔太くんが死んだ菜奈ちゃんを思い出して悲しむシーンとかはグッとくることも多かったので(これは田中圭さんの功績だと思いますが)、最後に語ってた愛について。

「君のは愛じゃない。もし本当に愛なら、それが本当に大切にしてるものなら、同じように人が大切にしてる愛を奪おうなんて思えないんだよ」

聞いたときに、これは完全に反対だなーと思いました。
言ってることはわかりますけどね。そうあるべきだと思いますけどね。

でも現実って、人間に限らず、愛する国や民族、コミュニティーや群れを守るために外敵を殺し、愛する子供を育てるために他の動植物を殺し、領土、縄張りを奪う。
相手にも家族や仲間がいて、愛される存在であるにも関わらず。

そしてそれを正当化するために、勝者・支配者に都合のいい宗教教義や倫理道徳が作られてきたのだと考えると、何もかもがウソくさく感じられて絶望する・・・

愛も徳も仁義礼智も忠孝もどうせ何もかもエゴの正当化だろコンチクショー

・・・すみません取り乱しました。
だから僕は、感情のままに叫んだ翔太くんや、衝動に殉じた黒島ちゃんこそ本質的でいいなーと思うので、「あなたの番です」は最終回も含めていい作品だったなーと思います。