文武両道 臥薪嘗胆

日々の修業や生活の中で考えたことや思ったことを綴っていきます

『ホモ・デウス』

『ホモ・デウス
ユヴァル・ノア・ハラリ 著  柴田裕之 訳 河出書房新社


『サピエンス全史』に多大な感銘を受けた自分は、この『ホモ・デウス』の日本語版の出版を楽しみにしてて、9月に発売されてすぐ買った。

しかし欧州行きのためフランス語とドイツ語の勉強をしたり、空手の稽古や柔道柔術の研究、落合陽一さんの膨大なアウトプットを追いかけていたりと、いろいろあってなかなか手をつけられず、年が明けてからやっと読むことができた。
本書のおかげで、今まで問題意識は感じつつも正体がわからずモヤモヤしていたことに、考え方の道筋がついたことがいくつもありました!

 

前著『サピエンス全史』で語られた我々ホモ・サピエンスがいかにして現在の世界を形作ってきたか、ということを振り返りつつ、宗教とイデオロギーと最先端技術の知見から現在の世界で起こっている大きな世界構造の変化を捉え、それを踏まえ今後の世界が人類を超えてどうなっていくかを考察している。
平易な文章で、例え話や具体例も数多く交えながらわかりやすく書かれているのだが、その深い洞察には随所で深く考えさせられ、思ったより早く読み進まなかった。じっくりと考えながら読み込む、とてもいい読書体験でした。

 

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引用(下巻 初版 244p)
「新たな形で考えて行動するのは容易ではない。なぜなら私たちの思考や行動はたいてい、今日のイデオロギーや社会制度の制約を受けているからだ。本書では、その制約を緩め、私たちが行動を変え、人類の未来についてはるかに想像力に富んだ考え方ができるようになるために、今日私たちが受けている条件付けの源泉をたどってきた。単一の明確な筋書きを予測して私たちの視野を狭めるのではなく、地平を拡げ、ずっと幅広い、さまざまな選択肢に気づいてもらうことが本書の目的だ。」