文武両道 臥薪嘗胆

日々の修業や生活の中で考えたことや思ったことを綴っていきます

アジア大会柔道1日目 観戦の感想 ※関節技について

29日に男女とも軽量の2階級ずつ行われているのをテレビで見た。

角田夏実ちゃんが活躍してたのはうれしいが、とりあえずそれは置いといて。

 

女子48kg級の決勝で、近藤選手がかなりしっかりと腕十字取っていたのに決まらなかった件について。

録画してなかったので詳細はちょっと分析できないが、腕ひしぎ十字固めが決まらないケースとして

膝がしっかり締められておらず、相手の肩や肘を固定できていない

深すぎるか浅すぎるかして、肘関節のポイントがずれている

極める向きが間違っている(上向いて極める場合は相手の親指を上向けるように腕の向きを固定するのが一般的)

相手の関節(靭帯?)がやわらかすぎる

といった原因が考えられる。

 

最初の3つは技術的な問題で、寝技が得意という近藤選手がミスっているとも思えないが、もちろん相手も関節技から逃れるためにこのポイントをそれぞれ防いでくるので、相手の逃げる技術が高かったのかもしれない。

腕が完全に取られているのに、微妙に肘関節の位置や向きをズラして極まらないようにするのが上手い人がいるものだ。

 

関節がやわらかすぎるパターンは本当に困る。

こういう人は関節技をかけられてもあまり痛くないらしいが、可動域の限界を超えると当然壊れるので、気を付けないといけないという話を聞く。

もちろん練習でそこまでやらないので、こういう人から乱取りで”まいった”を取ることはできないし、どこまでやったら壊れるのかも体感したことがない。

試合で相手がまいったをしなければ、壊れるところまでやるしかないわけだが、たぶん上向いて極めるのはむずかしいだろう。

裏返してから反るようにすればより深く曲げられるが、自分の柔軟性も大事になる。

柔道出身の格闘家、関節技のエキスパートである青木真也選手が著書で以下のように述懐しているのがとても印象的だったので、引用させていただきます。

 

「絞め技の利点は関節技と比較すると、我慢に個人差がないところです。関節技は選手によって我慢しようと思えば出来る選手もいますが、絞め技は我慢し続ければ落ちます。極端な話、関節技で骨が折れても骨が折れただけですが、絞技で相手を落としてしまえば、そこで決着がつきます。」

青木真也の柔道&柔術入門』晋遊舎 p045