文武両道 臥薪嘗胆

日々の修業や生活の中で考えたことや思ったことを綴っていきます

欧州へ旅行して

10月に入ってから十日あまり、フランスとドイツへ旅行していた。

ヨーロッパへは一度行かねばならぬ、と思っていた矢先の誘いがあり、仕事や試合の日程などもうまく都合がつき、この機には乗らねばならぬ!と行くことに決めた。

そも海外旅行は初めてであり、新鮮な体験は数多あるのだが、紀行文はまた別に書くとして、とりあえず今回の洋行で感じた総括的なことを書こう。

 

古き良き姿を遺す田舎の街並みや古城

見渡す限りの広大な畑や牧場

パリの圧倒的で豪奢な威容を誇る大聖堂や元宮殿の美術館

文化を極めた造形、絵画、音楽、食

 

なるほど。

西洋の文物にそれなりに慣れ親しんだ現代日本人にして、驚きや感動をおぼえたのだ。

江戸時代の蘭癖大名や欧化主義に走った明治の元勲たちの気持ちもわからんでもないな、と思った。

同時に、これらを日本で再現しようとしたところでマネでしかなく、欧州の物は欧州の景色の中にあってこそ馴染んでおり、本物足りえるのではないか、とも感じた。

 

世界を西欧列強が牛耳り、たとえ猿まねであっても、とにかく西洋文化を受容しなければ人間の国家扱いされなかった明治の国際情勢の中、なんとしても生き残らんと必死に奔走した歴史には敬意も抱いている。

 

しかしヨーロッパのものを見てきたことで逆に、いまの日本においては自国の文化伝統を大事にし、和のもので満たすべきだと確信した。